【特集】生き埋めレコーズ インタビュー

2014/07/07


「生き埋めレコーズ」その独特な名前が頭から離れない新鋭レーベルが京都に突如誕生した。
記念すべき第1作目は20代前半の同世代のみを集めたという「生き埋めVA」レーベル運営3人がそれぞれ活動するバンドに加え、独自のネットワークで全国各地に広がる良質インディーバンドが13バンド収録された傑作VAだ。
先日6/29にも行われたイベント「MID SUMMER SPECIAL」では満員御礼。”何かが始まる予感”がする一夜であったことも筆者が肌で感じてきた。
今、最も面白みを見せている京都の発信基地「生き埋めレコーズ」の首謀者3人に話を聞いてみた。
TEXT:大澤(I HATE SMOKE RECORDS)

O:それでは宜しくお願いします!まず始めに3人ともどんなバンドをやってるかなど自己紹介してもらっても良いですか?

伊藤 祐樹:京都でTHE FULL TEENZというバンドをしている伊藤です。

杖野 真太郎:littlekidsっていう京都で活動している4人組のバンドでギターボーカルをしています。ダイナソーjrとかペイブメントとかが好きです。

菅沼 祐太:愛知でsprintklubというバンドをしています、菅沼といいます、今は京都に住んでます!

O: 3人とも違うバンドをやってるんだね。生き埋めレコーズは3人でやってるって事みたいだけどいつから始まったんですか?またきっかけなども伺えれば!

伊藤 祐樹:昨年の秋頃ですかね。littlekidsが物販のカセットに手書きで一つ一つ落書きをしていて、そのうちの一つに生き埋めになった人の絵が描かれてたんですよね

杖野 真太郎:littlekidsベースの南條が生き埋めになった人を書いていて伊藤くんがそれを見て『生き埋めレコーズじゃないですか!』っていうちょっとしたふざけた瞬間があってそこからですね笑

伊藤 祐樹:それから皆の中で架空の「生き埋めレコーズ」をあたかも存在してるかのようにツイートしたりするノリが生まれたんです。架空のノリが実際のレーベルになったきっかけは、大阪のAnd Summer Clubと京都のfULLHOUSEがスプリットを出したいという話をしていて、「それ生き埋めレコーズから出しますよね?」っていつものノリで言っちゃったとこからですよね?

菅沼 祐太:そうだね、それで、やったらいいじゃん!て感じで笑

O:なるほど。当初はクルー感というか、お互い3バンド間で総称みたいな感じでふざけて付けてたのが始まったきっかけなんだね。 ちなみに皆、同い年?

伊藤 祐樹:僕は今年で21になります

杖野 真太郎:僕は今22で、皆より2つ上です!今年23ですね。

菅沼 祐太:僕と伊藤君が同じ21歳で、杖野さんが僕の大学の先輩なんです

O:皆大学は一緒?出会ったきっかけは?

伊藤 祐樹:僕だけ別の学校です

杖野 真太郎:そうですね。スガヌマとは大学の花見の時にはじめて会いました。僕が偶然流していた徳島のthirstychordsっていうバンドの音源に反応してくれて、

O:Thirstychordsに反応を! 菅沼くんと伊藤くんはお互いのライブ活動で知り合った感じ?

菅沼 祐太:それが、最初は火影でのsensations企画なんです笑 manchester school≡とかでてたときの!

伊藤 祐樹:行く先々のライブハウスに毎回いるなーって思っててしゃべりかけたんだね確か

菅沼 祐太:当時伊藤君は髪が長くて結構目立っていたので、同い年だと思わなかったですけどね 笑

O:なるほどそこでお互い仲良くなり始めて、そこから菅沼くんが杖野くんってヤベー先輩がいるぞと紹介した感じ?

杖野 真太郎: ぼくと伊藤くんがはじめて話したのいつだったかな・・笑 元々、菅沼と一緒に行ったライブハウスには大体伊藤くんがいて、、、

伊藤 祐樹:そうですね 京都には毎月開催されてる「感染ライブ」というイベントがあって、それに
杖野さんがやってるlittlekidsが出ていたんです。

杖野 真太郎:話はしないけどいつも菅沼の話してたから、喋ったことはないけどほぼ知り合いみたいな変な感じだった笑

O: そこからlittlekidsの物販から架空の生き埋めレコーズが出来て、スプリットのおふざけから今回本格的にレーベルを立ち上げようっていうのは何かきっかけがあったの?第1弾のオムニバスの経緯とか。

菅沼 祐太:僕はあまりレーベルという意識は無いんですけど、形容する言葉があまりおもいつかないので、、笑

伊藤 祐樹:いつも僕は「こういうのできたら面白そうなのにな」とかはたくさんあるんですけどいざとなると一人では全然行動できなくて、で菅沼君達に話してみたら結構軽い感じで「いいね、できるんじゃない?」って決まるんですよね 笑

O:菅沼君はレーベルという感覚ではないんだ!クルー的な感じ?

菅沼 祐太:某break a schoolのヒロさんも言ってたんですけど、やってみてダメだったらやめればいいじゃん、って思うんですよね

杖野 真太郎:なんかおもしろいことやりたいなっていう漠然的な考えがみんなにあって、やっぱり共通するところがバンドだったり音楽だったからそれならレーベルできそうだね、みたいな感じですね
確かにみんなとはいつも普通に遊びにいったりするから遊び仲間みたいな感覚ですね笑

伊藤 祐樹:レーベルというより遊びの一環ですよね

菅沼 祐太:ちゃんと遊ぶ、というか。クルーほどちゃんとはしてないですね笑

杖野 真太郎:決して手を抜いてるわけではないけど集まってる人が人だしね笑

伊藤 祐樹:先述したAnd Summer ClubfULLHOUSEのスプリットの件を三人で話し合ってる時に「どうせならVAでだせないかな」って誰かが言ってその晩の内には誘うバンドは全て決定してました 笑

菅沼 祐太:友達を巻き込む感覚で

O:第1弾のオムニバスはテーマというか縛りみたいなものはあったの? とにかく仲良い奴ら集めるぞー的な。
収録バンドも全国色々散らばってるじゃない?そこも意図したりしたのかなー?とか

伊藤 祐樹:コンセプトとかは特に意識してないんですけど、比較的同世代かつ芯が有って本当にかっこいいバンドに声をかけさせてもらいました。

杖野 真太郎:年が近いバンドっていうのは重要だったと思います。

菅沼 祐太:意図というか、あんまり距離が近すぎるのはいやだったし、気になるバンドが調度散らばっていたので、こりゃあいいなと、思ってました
若くて、そんなに有名じゃないかもしれない、だけどかっこいいバンド居るよ!って、僕らがいう必要ないかもしれないですけどそう思って。

伊藤 祐樹:僕らの周りにまだ日の目を浴びてないバンドが多かったというのもVAを作る意欲につながりました。

杖野 真太郎:やってる音楽はインディポップだけど、実はめちゃくちゃパンクが好きで。みたいな芯がある人達を自然と誘っていたような気がします。

O:世代的にも皆近いんだ! 皆、芯があるというのはとてもわかる良いオムニバスでした。 それから自分達のバンドもリリースしていってるけれど今後はどういったレーベルとしての活動をしていくとか決めてる?

伊藤 祐樹:夏にRevolution For Her Smileのシングルと映像作家のオムニバスを出す予定です。

杖野 真太郎:あとはlittlekidsは僕が今年から仕事がはじまったためにライブの本数が減ってしまったので、練習の数を増やして録音したいなと思ってます。その時はまた生き埋めから出したいですね。

菅沼 祐太:映像の件はまだぜんぜん決まっていなくて、でも絶対おもしろい形にしたい気持ちがあります。
映像のリリースは僕の悪ふざけが発端で、二人とも承諾してくれたので良かったです笑

O:映像のコンピは面白そうだね。

伊藤 祐樹:映像のコンピって聞いたことないですよね 笑
映像界の僕らみたいな日の目を浴びてない人達は最近でいうとYouTubeとかで作品を公開したりするんでしょうけど、それをフィジカルで出したらどうなるんだろうってワクワクします。

菅沼 祐太:個人的に、リリースは売れる/売れないに重きを置いていないので、創造の自由度は高いと思っています笑 売れたほうがうれしいに決まってますけど、それは別勘定というか

杖野 真太郎:映像作品なのにパッケージの後ろに生き埋めレコーズって書いてあったらなんかいいな笑
スケボーとかbmxの映像作品みたいにパッケージとかかっこよくしたいな笑

菅沼 祐太:今でこそアナログ(7インチ)とか流行っていますけど、実際ダウンロードコードがついてたり、結局デジタルというか、実体が無い場合が結構あると思うんです。それはそれでいいと思うんですけど、僕はひねくれているのでやっぱり物質としてリリースしたいし、触れてほしい気持ちが強いです!

O:うんうん。面白さ重視はわかるなぁ。 ちなみに皆20代前半で、ぶっちゃけCDとかについてはどう思う?周りは誰も買ってないとか、時代遅れだなーとか感じたりする?逆にレコードについてもどう思う?
フィジカルに対してどう思ってるのかなーと。

伊藤 祐樹:僕は手に取る派なので人並みにはCDもレコードも買うのですが、確かに誰も買いませんよね

杖野 真太郎:CDはまわりの人が一番聴きやすい環境なのでやっぱり自分達が音源出したりするのはCDとかになってしまいがちですが、本当はやっぱりレコードで出したいなって思います。

菅沼 祐太:確かに周りでCDを買ってる人は多くは無いですね、、、ダウンロードのほうが早いし安いし便利だし、というので、理解はできるんですけど、それはパッケージの存在をあまりに粗末にしている気がします。時代遅れだとは感じないですね。 レコードは最近買い始めたのであまり分かってないんですけど、CDもレコードも売れている、っていうイメージからはかなり遠いですね。

伊藤 祐樹:選択肢としてダウンロードも有るって認識ですかね。

杖野 真太郎:確かに。レコードにダウンロードコードついてるのはほんまにありがたいなっておもう。

菅沼 祐太:めったにダウンロードはしないなあ・・・

杖野 真太郎:CDもコンポとかで聴くにはきくけどどっちかっていうとパソコンに入れてそのまま棚においてしまうからなあ、僕の場合は

伊藤 祐樹:生き埋めVAFULL TEENZのアルバムもototoyで配信販売してもらっているのですが、別に配信に賛成でも反対でもなく、ただ選択肢として存在していればいいかなと僕は考えています

杖野 真太郎:聴いてくれる人が増えるのがまず重要かなとは思う。

O:うん。配信もダウンロードも一つの選択肢としてはいいよね。京都の音楽シーンについてはどう思ってる?

伊藤 祐樹:京都は学生が多い街なのでフレッシュな試みをしようとする人はたくさんいる気がします。HomecomingsHi,how are you?など。

杖野 真太郎:やっぱりライブハウスもいっぱいあるんでそのライブハウスのシーンみたいなのはあるのですが、僕たちのまわりでいうと、いま伊藤くんがあげたバンドとかは代表的ですね。京都から全国に知れ渡っていく感じをリアルタイムで見てたからなあ笑

菅沼 祐太:京都っぽさみたいなのは無いと思います!だからこそいいのかなあ。

伊藤 祐樹:JET SETSECOND ROYALがあるので京都独自の広がり方がありますよね。

O:今後生き埋めレコーズとして京都シーンを盛り上げていこう!とかっていうのは考えたりする?

菅沼 祐太:僕はあまり無いです、でも京都に住んでいる以上これからも関わりたいシーンというか土地だなあと思っています

伊藤 祐樹:付随的に盛り上がったらそれはいいなとは思いますが結局は自分たちの楽しさが八割くらいですよね 笑

杖野 真太郎:僕たちは本当にジャンルとかにとらわれずにかっこよくておもしろい、人間味のある人達と一緒に京都や他の県でもおもしろいことはしたいなっておもいます。(全然他のレーベルがどうとかではないです!
みんな押しつけがましいのとかが嫌いなのでわいわいできたらそれでいいやっていう感じなんだと思います笑
その中で自然とみんながそういうのに 巻き込まれていけばいいなっていうか。

O:うんうん。まず第一に自分達が楽しむ!ってところが最重要だよね。それじゃあ最後に最近買った音源と、これからの生き埋めレコーズ意気込みを一人ずつお願いします。

伊藤 祐樹:僕はTHE DUDOOSSPECIUM SOMMER」を買いました。生き埋まらないようにがんばります!!!!

杖野 真太郎:最近買った音源はtogether pangeaBADILLACていうアルバムと、スカートの新譜ですね。時間と余裕さえあればどんどんいろいろなものをリリースしていきたいです。ふざけてるようだけど中身はちゃんとしてるような、まじめな子供みたいな感じで頑張りたいです。意味不明ですいません笑


菅沼 祐太:最近買った音源は、柴田聡子さんの「いじわる全集」です!周りを気にせず元気にやりたいです。

■生き埋めレコーズ イベント
9月6日(土)早稲田ZONE-B

■生き埋めレコーズ リリースタイトル
■V.A. / 生き埋め VA
2013年末に始動した京都発のインディパンクレーベル、生き埋めレコーズの第1弾リリース オムニバス。20代前半の良質インディーバンド13組が揃ったナイスコンピレーション。


■THE FULLTEENZ / 魔法はとけた
スイート且つドリーミンなファズ・ギターに胸を締め付けてくる激良ポップメロディーを約1分半でまとめあげたインディ・ポップを即連射してくる全曲キラーな全8曲!
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LITTLEKIDS / Friends
日本詞ストレートポップパンク!しかしその中にSEBADOH / PAVEMENTにも通づるLO-FIな焦燥感が見え隠れする絶妙なサウンド。
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