空気読まない風見鶏7匹が贈る、12cmと17cmの円盤に今彼等にできるありったけのLOVEとLIFEを込めた作品が産み落とされた。
ツインボーカル、トリプルギターを擁する移動型動物園、もといパンク/ハードコア・チーム THRH、7人態勢になって初の正式音源が遂にリリース。
チームを引率する2匹のボーカル、タジリテツヤ/モリミソウイチロウに話を聞いた。
※誰か、トオルちゃんがトオルちゃんと呼ばれる、所以を教えて下さい。
Interview:KEEP AND WALK / dues 新宿・松尾駿介
■THRH、本誌初登場ということで、自己紹介を。
タジリテツヤ(以下:T):初めまして。THRHのタジリテツヤ(Vo/兄ゴリラ)32歳です。牡羊座のAB型、好きなタイプは〇〇〇〇です(照)。
モリミソウイチロウ(以下:M):いきなりかよ(笑)。2014年に加入したソウイチロウ(Vo/ex-A.O.W/)です。
■何気に、よくよく見返してみたら、THRHって結構長くやってるよね。
T:そうだね。ちゃんとやりだしてからは11年くらいかな。
■メンバーは、今回加入した2人はとりあえず置いておいて、変わったりしてるの?
T:いや、俺とコウノヒロユキ(Gu/産休)とフカザワリョウヘイ(Dr)は11年ずっと一緒っすね。タジリケンタ(Gu/弟ゴリラ)が入ったのが7年前ですね。その後ナカヤスケイシロウ(Ba/パンクス)が入って、2014年にアリマヒロシ(Gu/ex-I think/トオルちゃん)とソウ君が入って、今は7人でフルメンバーって感じだね。
■2人が加入してすぐにデモはリリースしてコンピ等にも参加してたけど、正式な単独での音源としては久々だよね。ずばり、出来上がってみて新作の手ごたえはどうですか?
T:いいんじゃないかな。ソウ君とヒロシが入って7人になって、THRHに対するモチベーションがみんながいい所に持って行けたタイミングでリリースできたんじゃないかなと。
M:リリースをするっていうのを目的に動いていたのもあるし、実は去年の1月からまだA.O.Wとしてやっていた時から練習にはずっと入っていて。6月にA.O.Wが解散して7月からすぐ切り替えてライブ出来るようにっていう所があって、さらにその先に音源をちゃんと出そうっていうのも見越して動いてたか、凄くいい流れでリリースできたんじゃないかなと思います。
■2人の加入はどんな流れで決まったの?
T:まさかの、示し合せたわけでもないのに同じ時期に2人からそれぞれ連絡があって、先にヒロシから連絡があって、何日かしてからソウ君から連絡があって。2人ともTHRHに入りたいって。
■サウンド的にはこの大所帯でやるのはイメージ的に珍しいのかなと思うんだけど、2人が加入したTHRHって想像できた?
T:いや、別に全然なかったかな。どちらかと言うと、友達が入るというか、飲み仲間だから2人とも。人となりは全然知ってるからなんも問題ないし。まぁ周りからは、今のバンドとしての形を変える必要はなんじゃないって言われたりもしたんだけど、でも仲のいい友達が一緒にやりたいって言ってるのを断る理由もないし、その先に何があるかなんてやってみなきゃわかんないしね。2人に加わってもらった一番の部分は人間性だね。
■ちなみに、ソウさんは自分から入りたいって伝えたわけですけど、自分が加わることでTHRHがどうなるかってイメージはありましたか?
M:もともと好きだったのはもちろんなんだけど、漠然と入ったらどうなるんだろうっていう方が強かったですね。んで、初めてスタジオに入った時に"あっ、これ行けんな"って確かな感覚があって。
T:あー、それめっちゃあったね。
M:それからどんどんイメージが湧くようになったかな。
T:7人で初めて音をあわせた時の"あの感じ"は忘れられないよね。
M:入る前より、とりあえず音出してみんべって"バン!"って出した時に、きた!これ早くライブやりてぇ、音源もつくりてぇってなったかな。
■なるほど。では新作についてのお話を聞かせて下さい。今回、7inch+CDを同梱でのフォーマットでのリリースになったけど、これはどうしてこういう形を選んだの?
T:7inchが好きだから?(笑)
M:いや(笑)、そもそもは10曲以上がっつり作ってアルバムとしてリリースしたいなと思ってたんだけど、やっていく中でちょっとすぐには厳しいっていう流れがあって。新曲4曲でシングルみたいな形でリリースしようっていう話と、俺とヒロシは自分達が入る前のTHRHの曲も好きで加入してるから昔の曲も7人でやって入れたいっていう気持ちもあって。そんな中で今回リリースしてくれたI HATE SMOKE RECORDS・大澤君の所へ話を持って行ったら、新しい曲は7inch、既存曲の新バージョンはCDで収録してあわせてリリースしてみたら面白いよねって話を出してくれてやっとまとまった感じでしたね。ちょっとややこしい売り方かもしれないけど(笑)、リードの2曲だけどっちでも聴けるようになってます。
■なるほど。7人で録りなおした既存曲は、どんな基準で選んだのでしょう?ソウさんとヒロシ君がやりたい曲を選んだとか?
T:いや、7人で話し合ってだね。
M:そうだね。ただ、俺たち2人から見てこの曲はやりたい!っていう意見も入れてもらいつつ。昔デモで出した曲も入れつつ。
T:チューニングが違ったりっていうのもあるけど・・・7人でやるとそもそも全然別物(笑)。
M:そう、もはや全部新曲(笑)
T:あっ!あとね、7人になったから7inchを出すって事じゃないんでそこんとこよろしく(笑)!
M:うん、一切関係ない話だね(笑)。
■(笑)。タイトルに込められている意味は?
T:2人で書いた歌詞をお互いに見たのがレコーディングの直前で、それからタイトル決めたんだけど、ソウ君の書いてる歌詞がボブ・マーレーの"ゲットアップ・スタンドアップ"から影響受けてたりして、タイトルもボブ・マーレーの言葉からとったんだよね。
M:そう。Love the life you live. Live the life you love.って、日本語訳するとあなたの生きる人生を愛せ、あなたの愛する人生を生きろ。って意味で。なんかぴったりじゃね?って感じて。バンドのスタイルにもあってるし、7人ってなかなか時間もあわなかったり境遇も違う中で、バンドやるときはめっちゃ楽しくやろうぜ!少ない時間フルに使ってギリギリまで楽しみたいっていうスタイルでやっているから。
T:基本的には、ソウ君はスーパーポジティブおじさんで俺はひねくれおじさんなのね(笑)。ネガティブな事を言いながら最終的にポジティブになるみたいな。でも、1曲目の"A.I.P"とかは特にソウ君に触発されて歌詞を書いてて、パッとみて前向きだなってわかる歌詞なのね。他の曲でも結構影響されてる部分あって、だから今回"LOVE"って言葉も今までは避けてきたけど、実際は"LOVE"しかないからさ。俺自身もそうだし。
■どの曲をどちらが書いてるっていうのは先に教えてもらってたんですが、言葉の使い方とか要所要所違いもあるんだけど、内容とか感触的には全然遠くなくて、たぶん言われないとどっちが書いてるかほとんどわかんないよね。
T:そうなの!俺もそれ凄く思った。古い曲4曲はもともと書いてあった曲だけど、新曲は2曲ずつ書いてて、その2曲はどっちがどっちって俺らのことよく知らない人にはあんまわかんないと思うな。ちなみにまったく打ち合わせ無しで書いてます(笑)。
M:今回は完全にそれぞれで書いたんだけど、この書き方のスタイルが全てじゃないかもしれないし、今後は共作にするかもしれないし、自分の歌うところは自分で書くとかもやるかもしれないし、同じタイトルの曲で別々の歌詞を書いたりもするかもしれないし、
やっぱボーカルスタイルも変幻自在なアプローチで色々挑戦してみたいしね。
T:それぞれ書きながらどっちがどこ歌うってとこまで考えてるんだけど、ボーカルに関してはスムーズだったね本当に。パート別けも微調整くらいで。練習1回しかしてないしね(笑)。もともと心配はしてなかったけどそれでも早かったね。
■最初にスタジオに入った時の感触が今もいい方に進んできてる証拠だね。
T:楽器隊は結構大変そうだったけどね。ヒロシが入ったことで確実に底上げになったし、かつこれまでぐっしゃっとしてたそれぞれの楽器の輪郭を出したりとか、今までやってこなかった部分にも力を入れてあれこれ試してみたりして。やっぱりもっと色々やっていかないと駄目だなって痛感できた部分も多かったね。
■音の感じは凄くクリアになったよね。曲がしっかり立っているというか。
T:もともと俺らみんな両方好きなんだよね。ぐしゃっとしたハードコアももちろんだし、クリアな音の音楽も好きだし。だからどっちも好きだから出来た音なのかなって。
M:MEANINGのよっくんがエンジニアをやってくれてるんだけど、今回でTHRHやってもらうの2回目で、前回録ってくれた時に思った事を今回どう反映するかっていうのも一緒に悩んでくれるエンジニアだから、今回はこうしたいとかコンセプトもちゃんとわかってくれてたし。だからレコーディング作業自体は凄くスムーズで。
T:ケンタとか1時間くらいしかかかってないよね?ほぼワンテイク(笑)。
M:人数が人数だし、時間をかけようと思えばかけられるんだけど、限られた時間の中に目標も置いてやっていたから、その中でベストなものができあがったと思います。
■曲調自体、うるさくて早くてっていう根本は変わってないんだけど、いい意味で凄く聴きやすくなったように感じていて。
T:そうっすね。やっぱメンバー増えたってのが大きいよね。今までのが悪かったとかじゃなくて、"I HAVE A DREAM"とか特にそうだと思うんだけど、こういう曲って全然やってこなかったから。
M:僕的には、THRHの曲ってノリもあるし、聴き方によっては凄くポップな面もあったりとかして、ビートで攻めるイメージだったんだけど、もちろんテツヤの言うとおりで前が悪いとかじゃなくて、ギターもボーカルも増えてこれでさらにぐしゃぐしゃにしたら、お客さんや聴いてくれる人の目線に行くと、聴きづらさの方が勝っちゃうんじゃないかなって思って。だからしっかり誰がなにやってるかわかるようにしようっていうコンセプトのもとで作っていて、だからこそ作る段階・練習段階で躓いてたところもあったんだけど、あえて今までやってこなかったやり方をどんどん取り入れてやってみたし。
■5人の時のTHRHをよく知ってる人が聴いたら驚きも大きいよねきっと。
T:うん、賛否両論ですねまさに。でもそれで僕らとしては嬉しくて、否定の意見も興味をもってもらえてるってことだし。さっきも話したけど、俺たちどっちも好きだから、次の音源はスーパーノイズみたいになってるかもしれないし(笑)。
M:THRHは今回初めてちゃんと流通にも乗せてもらうし、この作品で俺らの事を知って聴いてくれる人も増えると思うんだけど、それだけじゃなくて今までTHRHがやってきた11年で出会った人達にも、今の俺達が伝わってくれると嬉しいですね。
T:まぁ、なんも変わってなんで俺達(笑)。聴いてくれたらわかるから絶対。演者でいるのはステージにいる15分だけだし、モッシュピットが大好きなだけの酔っ払いだから(笑)。
■凄く漠然とした質問ですが・・・THRHにとって、音楽ってどういうものですか?
T:あれっすね。LOVEとLIFEとLIVEじゃないっすかね。
一同:爆笑
T:たまに真面目に答えるとこれだからなー(笑)。
M:いや、でもまさにその通りだと思います。どんな形であれ、一生付き合っていきたいものですね。
T:ソウ君入る時にみんなで話したんだけど、この7人だったら50歳とか越えてブルースとかジャズのバンドになってもいいよねって話してて。だからDUB 4 REASONとか凄く憧れるよね。楽しい人生をこの7人でやっていくって、それを通じて出会う人には愛しかないしね。
■では、最後に一言、お願いします。
M:ツアーもがつがつブッキングして全国各地に行くので、お近くに行った際は是非一緒に遊びましょう!
T:僕からは、THRHは僕たちの人生で、是非その人生に会いに、愛に巻き込まれに来てください。そしたら愛に溢れた人生をおくれるはずです。・・・終わり(笑)!
【音源情報】
THRH 「LOVE THE LIFE YOU LIVE LIVE THE LIFE YOU LOVE
[IHSR55 / 7inch+CD / 1,600円+税]
SOULMINEで購入する
収録曲
<アナログ;>
1.ATAMA IKARE POSSE
2.I have a DREAM
3.BKP
4.Get up Stand up
<CD>
1.ATAMA IKARE POSSE
2.I have a DREAM
3.自分次第
4.CHAOS
5.Distrust
6.POSER KILLER
【ツアー情報】
05/30(土)
神奈川 横浜B.B
STREET
06/06(土)
大阪 心斎橋PANGEA「CHANGE YOUR CIRCLE TOUR」
06/13(土)
大阪心斎橋「STORMY
DUDES FEST A2015」
06/20(土) 愛知 名古屋CLUB ZION「CHANGE YOUR CIRCLE TOUR」
06/20(土) 愛知 名古屋CLUB ZION「CHANGE YOUR CIRCLE TOUR」
06/28(日)
東京 下北沢SHELTER「CHANGE YOUR CIRCLE TOUR」
07/11(土)
北海道 札幌KCA
07/12(日)
北海道 苫小牧CLUB
ROOTS
07/25(土)
東京 小岩BUSHBASH
08/02(日)
埼玉 熊谷 HEAVEN'S
ROCK
09/26(土)
福岡 小倉 MEGAHERTZ
09/27(日)
福岡 博多KIETH FLACK
10/03(土)
大阪 心斎橋CLAPPER
10/17(土)
東京 東高円二万電圧(FINAL)