ヒネくれ変態的ギターリフを織り交ぜながら、緩急を付けたSTOP&GO/変拍子と転げ落ちるかの如き勢いのあるリズム隊。そしてポップ&キャッチーながらもハイテンションに叫び散らかすボーカルが化学反応を起こしたストレンジハードコアパンク全13曲が揃った堂々のデビュー作品となった。
Interview:too smell records・赤石
木村くん(以下:K):ありがとうございます。toiletのギターの木村です。
■デモは数枚出してるけど こうやって全国流通でリリースするのは初めてだと思いますが、どうですか?
K:そうですね、自主制作のdemoや コンピ参加はありますけど、単独で出るのは初めてなんで、緊張してます。
■ブチあがってないの?
K:ブチあがってる気持ちもあるんですけど、やっぱり緊張しますね….少し不安ていうか、みんな買ってくれるのかな~っていう。自分達の音源がどこまで広がるのかな~っていうのが、ドキドキしますね。
■そこは大澤さんがやってくれますから!
K:お願いします!
大澤(以下:O):頑張ります!(笑)
■DEMOの時点でも反応はあったんじゃないですか?toosmellでもかなり好反応だったよ。
K:確かに反応なくはなかったですけど、嬉しい反応も貰ったりしましたし、大澤さんも買ってくれたうちの一人だし。でも全国流通は初めてなので、やっぱり緊張しますね。
O:それこそtoosmellで赤石さんにオススメして貰いましたね。
■その時からリリースも考えてたの?
O:聴いてからは意識してましたね!出したいなって。そこからこうして知り合えて…。
■良かったなぁおい!
O:ありがとうございます!(笑)
■toilet結成はいつなのですか?
K:2010年ですね、結成して5年目です。その年の春まで大学で地元(帯広)にはいなかったんですけど、札幌にいて、そこでは別のバンドやってたんですけ ど。今の仕事をやる事になって帯広に戻って来る事になって、その時は戻ったらもうバンドをやるつもりもなかったんですけど戻ってきたら今のメンバーに「ギターいないからギターやらない?」って言われてやる事にしました、ギターは目立てそうだし。それまでは ずっとベースやってたんですけど。
K:最初はSNOTTYみたいなバンドがやりたくて始めたんですけど全然出来なくて。そこからメンバーにデラシネとDEEPSLAUTERを 聴かせて貰って感銘を受けて、色々パクるようになって(笑)。そんな感じでやってたんですけど途中で解散しちゃって、僕も大学卒業して地元 に戻る事になって。そこからはさっき話した流れです。
■toilet結成当初は「こんな音をやろう」っていうテーマはあったの?
K:何もなかったです。僕は誘われた側なので、もう曲があるもんだと思ってスタジオに行ったんですけど、いざ行ったら「曲は一曲もないんだよね」って言われて....そんで僕が家で一人で弾いたりしてたフレーズがあったのでそれを弾いてみたら「それいいね」ってなって、曲を作っていった感じです。
なのでテーマとかは特になかったんですけど、唯一ベースと「初期BEASTIE BOYSとかDESCENDENTSみたいな感じでや りたいね」って話はしてましたね。結局そうはならなかったですが.....
■でもそれがtoiletのオリジナリティに繋がってる気がします。ヴォーカルの彼、おかしい もんね。
K:結局ヴォーカルがのったらどうにもならなかったっっていう。
■最高に味あるよね、彼。
K:そうですね(笑)
■そこから現在まで影響受 けたバンドとか音楽とかはありますか?
K:音として直接的な影響って感じではないですけど、malegoatを聴いてから色んなバンドを掘り下げるようになりましたね。ALTERNATIVE ROCKとかINDIE ROCKとか。あとやっぱりFARAQUETとかQ AND NOT UとかDISCHORDの 音楽も大好きでハマったんですけど、音的に一番影響を受けたのは大阪のTHE FUTURESだと思いますね。あのぐちゃぐちゃなポップ感を自分達も出したいっていう気持ちはあります。初期音源集の「DIRTY WORKS」の雰囲気が凄く好きで。
■あれ最高だよね。
K:大好きですね。でもアルバム作る時は2nd「分裂電解」をエンジニアの人に渡して音作りの参考にしました。
■そして問題のこの「toilet」ってバンド名はどうやって決まったの?
K:僕が持ってたF.Y.Pの 布パッチに便器のイラストのヤツがあるんですけど、そのイラストが凄い好きで。なんか便器のイラストが使えるバンド名がいいなっていうのと、あとバンド名を略されるのが嫌なので絶対にワンワードの単語一文字にしたくて、せっかくバンド名考えたのに略される のって凄い嫌だったので。それでみんなで色々と案を出して話し合った結果、半分僕が押し切ったような感じで「toilet」になりました。言葉の響きも良いし、絶対に略されないし。あとトイ レって「汚い」ってイメージもあれば「洗浄する」とか「開放的で落ち着く」っていうイメージもあるので、その二面性みたいな部分も良いな、と。
■なるほど、そういう二面性がサウンドスタイルにも反映されてる?
K:自分ではわからないですね…..そ れは見たり聴いたりした人が判断してくれれば….と思います。
■活動は主に帯広〜北海道 ですか?
K:そうですね、ほぼ道内でやってます、月3~4本くらいです。北海道以外は東京しかやった事ないです。
■そうなんだ!東北の方とかやらないんだね、仙台とか、山形とかFRIDAYZいるからハマりそうなのに。
K:ないんですよね….
O:向こうは知ってると思うけどね。
K:地元のREAL SHOCKS MATTERと初めて一緒に東京行く時にSPLIT作ったんですけど、そのジャケはFRIDAYZのケンタさんがやってくれてま す。
O:まあでもなかなかやる機会はないよね。
■道内で仲良いバンドは?
K:やっぱ地元・帯広のREAL SHOCKS MATTERですね、いっつも企画誘ってくれるし、彼らのお陰で東京から来るバンドとか札幌の バンドとか色んなバンドとも対バン出来てたりもするので。あと旭川のTG.Atlasですね、先輩ですけど。
■今、帯広~北海道ってどんな感じなの?
K:最近は高校生とかもライブに来るようになってて、凄く良いなって思いま す。
■高校生くるんだ!それは凄い良い事だね。
K:今のドラムも高校生の頃に僕らがまだ前のドラムの時のライブとかを見に来 てて、その流れで前のドラムが脱退した後に加入する事になったし、だんだん良い感じになって来てるとは思います。
バンドの数も自 分達が始めた頃よりは今の方が全然増えてるし、お客さんも増えてるし。
でもやっぱりまだまだ足りないなっていう部分もあります。 グッと飛び抜けてくるバンドも少ないし。
■そんな中で北海道で今凄いカッコイイなってバンドは誰ですか?
K:札幌のMosomosOですね、あとさっきも言ったTG.Atlas。最近だとCOLOR ME BLOOD REDですね。群を抜いてカッコイイと思います。
■それじゃ東京と北海道の 二箇所でしかライブやった事ないって事ですけど、地元と比べて東京をどう感じますか?
K;う〜ん....東京の方が確かにバンドの数自体が多いっていうのはあるんですけど、なんだか細かく分かれてるなって感じがします、区別されてるっ ていうかしてるっていうか。
逆に、僕らの活動地域はそんな事やってても仕方がないというか、そんな事やってても自分達の首締めるだけなんで。
サウンドスタイルで区別するよりも音楽やってるっていう部分で繋がって楽しんでる方が絶対に面白いと思うので、そういう分類みたいな事はほとんどないです。
■いいですね。そんじゃ今回のリリースはどういう風に繋がってったんですか?そこは大澤さんにも聞きたいんですけど。
O:最初は、toiletを組む前に木村くんが札幌でやってたBEACH FLAGってバンドのデモ をいつだかに貰ってて、そのデモが凄いカッコ良くて覚えてたんだけど。
それでさっきも話したけどtoosmell来た時に赤石に「なんか最近いいバンドいる?」って聞いたら「北海道のtoiletってバンドがいいよ」って言われてDEMO買って聴いたらすげーカッコ良くて…
それでdiskunionのフリーペーパー「FOLLOW UP」のレビューコーナーにtoiletのデモを書いたんだよね、そしたら木村くんがお礼みたいな感じで直接メールくれて、そこから連絡は取るようになってたんだけど、その後にTHE SENSATIONSの2nd albumのレコ発で北海道に行く事になって札幌は決まってたんだけど、どうせなら行った事ないトコロに行きたいなって事で木村くんに連絡して帯広に呼んで貰ったんだよね。
そこであのBEACH FLAGのデモをくれたメンバーが後のtoiletの木村くんだっていうのを知ったっていう(笑)
K:そうですね。最初の東京はヒロさんの企画「BREAK A SCHOOL」に呼んでもらってのが初めてだったんですけど、そこから今度は大澤さんが僕らを呼んでくれてっていう。
O:最初は板橋にライブ出来る公民館があるからそこでやって…2度目はTHRHのソウくんとか板橋周辺の毎週飲んでるような仲間周りで一緒にやってる「TJ Meeting」ってイベントにも出てもらいましたね。
K:それで大澤さんから「もしアルバム出したいっていう時は言ってよ!」って 言ってくれて。
O:そうだね、だからこうアルバム出すってなるまでは早かったよね、自然な流れっていうか。
■いつもの大澤パターンですね。
O:そうだね(笑) 特にマジメな話もする事なく「あ、曲揃ったんだ、じゃあやろっか」みたいな(笑)
■そしてこの度こうして全国にバラまかれる事になる訳ですね。
K:バラまかれる(笑) そうですね….最初からあまりガツガツツアーとかも出来ないっていう話もしてたんですけど、それでも良いって言ってくれて….
O:そうだね。だから最初から活動はそんなに出来ないっていうのはわかってたんだけど、それなら行けない分、逆にtoiletがバンドがこっちから帯広に行きやすいような状況を作って欲しいっていうか、そういう体制を整えてくれたらなって思ってる。
自分達もだけどI HATE SMOKEから出してるバンドとか友達のバンドとかが北海道にツアー行くならまず札幌は行くだろうけど、toiletに頼めば帯広にも行けるんだぞと。
■それじゃ帯広支部長ですね。
K:支部長….(笑)
O:うん(笑) そんな感じで一緒にやったら今度はこっちが呼びたくなったりもするじゃない?そういう関係を色んなバンドと築いてくれたらいいなって。
地元のシーンも盛上がっていって欲しいし。
■それは素晴らしい事だね~
O:うん、それで全体的に良い流れが出来たらいいなって思ってる。なんか今の風潮じゃないけどさ、やっぱレーベルが何かをリリースするからには「売れてナンボ」みたいなトコあるじゃない?
リリース前にはいっぱいツアーして~PV作って~とかガツガツプロモーションやって顔と名前を売って準備整えてから出す、みたいなさ。でもtoiletを出すのはそういうんじゃなくて、無名も無名だと思うし…(笑)遠征もほとんどしてないし。
さっき言った事ももちろんそうなんだけど、帯広をメインにして活動してる訳じゃない?
でもこうやって全国流通でリリースする事によってタワレコだったりとかビレッジバンガードだったりとか大手のショップにも置いて貰える状況が出来る。
そんでさっき木村くんが高校生もライブに来るって言ってたけどそれなら尚更で、そういう子とかがそれを見たら少しでも夢を与えられるんじゃないかな?って。
「ウチの地元のバンドのCDビレバンに置いてるわ!」とか「タワレコで展開されてた!」みたいなさ。
地元で活動しててもそういう事が出来るっていう、地元の子達に夢を与えて欲しいなって(笑)
K:夢、 大事ですね。
O:うん。そうやって希望を与えて欲しいなっていうのと、さっきも話したみたいに帯広に色んなバンド呼んで、帯広自体をもっと盛り上げてほしいなっていうところに、期待してます!
■なるほど。それでは木村くん、夢は、ありますか?
K:夢……夢って いうのかわからないんですけど、そもそも僕はアルバムリリースどころかデモ音源をリリースするっていう事すら想像していなかったので….
僕達は仕事の関係上がつがつツアーやったりも出来ないし、連休もほとんど取れないから遠征もなかなか出来ない訳で、物理的にライブがたくさん出来る訳じゃないんです。
でも、そういう環境でも真剣に頑張ってやってれば大澤さんみたいに見てくれる人は見てくれるし、 今回みたいに全国流通の音源をリリースする事も出来る。
さっき大澤さんも言ってましたけど、今回僕たちがアルバムをリリースする 事でそういう部分を若い子達や地元の人達に見せて、少しでも夢を与えられたらなって思ってます。
【音源情報】
toilet / HYPER MAGICAL POPNESS
[IHSR58 / CD / 1,800円+税]
1.ハイパーマジカルポップネス
2.デマカセ
3.階段
4.Mister Donut
5.ナギサ
6.Escape From Fashion
7.パパ
8.MAKAI
9.ソーシャルビッチ
10.SUPER RELAX ACTION
11.ノーマルボーイズ
12.トブトリオトス
13.ボジョレーヌーボー
【ライブ情報】
10.17(土)吉祥寺WARP
10.18(日)代々木MALDIC STUDIO
10.24(土)帯広REST
11.8(日)札幌KLUB COUNTER ACTION
12.12(土)札幌PIGSTY
12.26(土)帯広REST
【オフィシャルホームページ】
【ライブ情報】
10.17(土)吉祥寺WARP
10.18(日)代々木MALDIC STUDIO
10.24(土)帯広REST
11.8(日)札幌KLUB COUNTER ACTION
12.12(土)札幌PIGSTY
12.26(土)帯広REST
【オフィシャルホームページ】